最近、小学生の間で新しいオンラインゲームが爆発的に流行していて、
それにまつわるトラブルが各地で起きているというニュースを目にしました。
読んでいてちょっとゾッとする部分もあって、
いろいろと思うところが出てきたので書いてみます。
『ブレインロットを盗む』が大流行
私も初めて知ったのですが、簡単に説明すると、
「ロブロックス」というプラットフォーム上で遊べる、オンライン対戦ができるゲームです。
「イタリアン・ブレインロット」と呼ばれる少し変わったAI生成のキャラクターを
オンライン対戦で盗み合ってコレクションしていく、というシステムになっています。
「ブレインロット(brain rot)」とは「脳が腐る」という意味で、
ネット上の質の低いコンテンツに浸かりすぎて思考力や集中力が落ちた状態を指す言葉です。
2024年にオックスフォード大学出版局の「今年の言葉」に選ばれたほど、
世界的に認知された概念です。
まさに、今、子供たちが【ブレインロッド】してしまってるということです。
「ゲームが原因で暴力沙汰」の怖さ

今回話題になっているゲームのトラブルで特に気になったのが、
ゲームでのトラブルが現実の暴力に発展しているケースがあるという点です。
ゲーム内でのキャラクターの盗み合い・取り合いをめぐって
学校でのいじめや暴力行為につながっているという話が出ていました。
これ、普段おとなしい子でも、ゲームの中では感情的になって、
暴言を吐いたり、現実でも手が出てしまうことがある。
それがとにかく怖いと思うんです。
大人でも「ゲームの中のことと現実を切り分けて考える」のが難しいことがある。
まして小学生・中学生はまだ感情のコントロール力が発達しきっていない時期です。
ゲーム内で理不尽な目にあったとき、怒りをどこにぶつければいいかわからず、
物にあたったり、現実で爆発してしまう子がいるんじゃないか
と、容易に想像できてしまいます。
ただ、受ける側の子どもにとっては本当に怖い体験になり得ます。
ゲームが引き金になってリアルで傷つく、という経験は、
後々の人間関係全体への不信感にもつながりかねない。
これが昔からある問題だとわかってはいても、改めてその根深さを感じます。
対象の年齢が年々低くなっていってるのも問題に感じます。
自分もオンラインゲームにどっぷりだった時期の話

こういうニュースを読むたびに、自分が昔オンラインゲームにはまっていた時期のことを思い出します。
当時の生活は、完全にゲーム中心でした。
「今日の〇時からイベントがあるから絶対ログインしないといけない」という感覚、
あれは今思うと完全にゲームに生活を支配されている状態でした。
ゲームのスケジュールに合わせて自分の行動を組み立てていた。
外出の予定も「イベントと被るから」でずらす。
睡眠も「夜中のイベントがあるから」で削る。
気づいたら、ゲームをやっていない時間もゲームのことが頭から離れない状態になっていて、
当時の自分でも「これはやばいな」と薄々感じていました。
今回話題になっているゲームも、深夜や早朝に海外時刻でイベントが設定されているらしく、
子どもたちがその時間に起きてプレイし、
寝不足で遅刻や欠席、授業もに支障が出るというケースが多発しているようです。
「ゲームが軸の生活」になったとき何が起きるか
大人の自分ですらコントロールが難しかったのに
小学生にそれを自力でやれというのは、かなりきつい話です。
イベントに乗り遅れると、仲間内での話題についていけなくなる。
レアなアイテムを持っていないと、ゲーム内でのヒエラルキーに影響する。
そういう「乗り遅れへの焦り」が、無理な生活リズムを続けさせる動力になっていく。
ゲームがうまく設計されていればいるほど、この焦りは巧みに煽られます。
子ども相手に「意志の力で我慢しろ」というのは、ちょっと酷な気がしてなりません。
一度与えてしまうと禁止するのは難しくなるので
親子の間でしっかりルールを予め決めるのが重要だな
と感じました。
流行に乗れない子は「外される」のか
もう一点、個人的にずっと気になっているのが、
「流行についていけないことによる仲間外れ問題」です。
ポケモン、ミニ四駆、カード系ゲーム——時代ごとに変わってきたけど
「みんながやっているものを知らない・持っていない・できない」子どもが
会話から浮いてしまったり、輪に入れなかったりする空気というのは
昔から変わらずあると思うんです。
今回のゲームも、おそらく
「やっていないと学校での話題に入れない」
「ランクが高いと自慢できる」
みたいな空気が少なからずあるんじゃないか。
そうなると親が「やめなさい」と言っても
子どもにとっては学校での居場所そのものを失うリスクと直結してしまう。
こう考えると
ゲームの問題は単純に「ゲームをやるかやらないか」じゃなくて、子どもの社会生活全体の問題
でもあるんですよね。
親が一方的に禁止したところで、子どもの学校での孤立という別の問題が
生まれるリスクにもなりそうなのが難しいところのような気がします。
壊れた関係は、親が規制しても戻らない
さらに頭を悩ませるところなんですが
ゲームをきっかけに友人関係にひびが入った後、親が介入してゲームを取り上げたとしても
壊れた人間関係はそう簡単には元に戻らない。
「あいつにアイテムを盗まれた」
「あいつのせいで負けた」
という感情は、ゲームを止めても消えない。
むしろそのわだかまりを引きずったまま、毎日学校で顔を合わせることになる。
小学生・中学生の時期って、友達関係が人格形成にも深く影響する年齢です。
そこでの孤立や裏切りの体験は、思ったより長く尾を引くことがあります。
だとすると
問題が起きてから対処するより、起きる前の段階で関わっておく方がずっと大事
ということになる。
でもそれが難しいんですよね。
普段からゲームの中で何が起きているか、どんな子と繋がっているか
親が把握するのは現実的にハードルが高い。
「禁止すればいい」じゃないのはわかってるけど

こういう問題に対して専門家がよく言うのが
「頭ごなしに禁止するのではなく、子どもと対話して一緒にルールを作ることが大切」
という話です。
これは正論だと思う。
でも、そもそも
まともに対話ができる状態を保てているかどうか
どういうところに問題が潜んでいるか気づけるかどうか
が先に来る話で多くの家庭ではトラブルが表面化してから
初めて「やばい」となるんじゃないか、とも思います。
一番理想的なのは、子どもがはまっているゲームを親自身も少し触ってみて
「なんでこれが面白いのか」
「どういうところでトラブルになりうるのか」
を体感として理解しておくことだと思います。
全くわからないゲームのことを子どもに教えてもらう形で関わると
得意げに教えてくれる子は結構多いんじゃないでしょうか。
時代が変わってもこの問題は繰り返される
結局のところ、子どもとゲームの問題って、これからも形を変えながらずっと続くと思うんです。
ゲームの設計はどんどん洗練されて、依存させる仕掛けは年々巧妙になっている。
でも子どもの感情のコントロール力や自己判断の発達スピードは、正直追いつかない。
昔からある問題ではあるけれど、今の時代はそのスピードとスケールが段違いです。
半年で別のゲームが流行して、また同じようなトラブルが繰り返される。
オンラインで見えない相手、学校などの友達や家族との関係性、金銭トラブル、誘拐や拉致、など
過去にも色々な犯罪やトラブルがありました。
こういう流行に、便乗して悪いことを企む大人も出てくるでしょう。
手遅れになる前に気づけるかどうかは
やっぱり大人側がどれだけ良い距離感で関わるか、にかかっているんだろうなと思います。

