毎年春になると「目がかゆい」「鼻が止まらない」と悩む人は日本国内でおよそ4,200万人。
今や国民の約3人に1人が花粉症といわれています。
この記事では、日常で今日から実践できる予防策をメインにまとめました。
花粉症の主な症状

花粉症とは、植物の花粉が鼻や目の粘膜に接触することで引き起こされるアレルギー反応です。
医学的には「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれ、さまざまな症状が現れます。
鼻・目・皮膚に出る主な症状
これらが2週間以上続き、花粉飛散時期と重なる場合は花粉症が強く疑われます。
- 鼻水・鼻づまり・くしゃみ:鼻粘膜で反応し、鼻水やくしゃみが連続して起こります。
朝方に症状が強くなる「モーニングアタック」も特徴的です。
耳鼻科領域での三大症状。 - 目のかゆみ・充血・涙:目には粘膜が広い範囲にある為、花粉が直接触れるリスクが大きくなります。反応すると急激な炎症が起きます。かゆいからと目を強くこすると角膜を傷つけるリスクがあるため注意が必要です。
上記三大症状+目のかゆみ=花粉症の四大症状。 - 皮膚のかゆみ・湿疹(花粉皮膚炎):顔や首など皮膚が直接花粉にさらされる部位に皮膚炎が出るケースも増えています。近年、この「花粉皮膚炎(花粉症皮膚炎)」の患者数は増加傾向にあります。
それ以外の見落としがちな全身症状
鼻や目だけでなく、慢性的な疲労感・頭重感・集中力の低下・睡眠障害も花粉症に伴うことが知られています。
これらは「花粉症関連疲労」とも呼ばれ、QOL(生活の質)に大きく影響します。
日本アレルギー学会の調査では、花粉症患者の約50%が日常生活に支障をきたしていると回答しています。
日本人口が約1億2000万人
約4,200万人日本の花粉症患者数
約3人に1人国民の罹患割合
その内の、約50%日常生活に支障ありと回答しているということは
約6人に1人が日常生活に支障あり
学校の30人のクラスで5人は
花粉症で問題ない日常生活を送れてない
ということになりますよね・・・
社会人となると、仕事のストレスなどでもっと割合も増えそうな気がしますね・・・
このシーズンにしんどい花粉は?日本人に多いのは?

日本では、年間を通じて50種類以上の植物の花粉がアレルゲンとなり得ます。
その中でも「スギ花粉」と「ヒノキ花粉」が原因となる患者が圧倒的多数を占めています。
スギ花粉症は日本最大のアレルギー疾患
環境省の調査によると、スギ花粉症の有病率は全国平均で約38.8%(2019年)に達しており、今もなお、増加傾向にあります。
首都圏・東北・九州など地域差はあるものの、全国的に高い罹患率が続いています。
花粉カレンダー:いつどの花粉がしんどい?
| 花粉の種類 | 主な飛散時期 | シーズン | 主な地域 |
|---|---|---|---|
| スギ | 2月〜4月 | 春 | 全国(北海道は少) |
| ヒノキ | 3月〜5月 | 春 | 本州・四国・九州 |
| ハンノキ・オオバヤシャブシ | 1月〜4月 | 冬〜春 | 全国 |
| シラカンバ(白樺) | 4月〜6月 | 春 | 北海道・東北・高標高地 |
| カモガヤ・イネ科 | 5月〜9月 | 初夏〜夏 | 全国の草地・河川敷 |
| ブタクサ・ヨモギ | 8月〜10月 | 秋 | 全国(河川敷・空き地) |
スギ・ヒノキの花粉シーズンは特に症状が重くなりやすく、
スギが終わったと思ったらヒノキが重なり、5月上旬まで症状が続くケースが多いです。
北海道在住の方はスギ花粉は少ない代わり、シラカンバ花粉に注意が必要です。
花粉飛散量は前年夏の気温・日照に左右される
前年の夏が暑く日照時間が長いほど、スギ・ヒノキの雄花が多く生成され、翌年の飛散量が増える傾向があります。
環境省・気象庁の花粉飛散情報を事前に確認し、飛散量が多い年は特に早めの対策を心がけましょう。
花粉症の治療法:「免疫療法」と「薬物療法」
花粉症の治療は大きく2つに分かれます。
症状を一時的に抑える「薬物療法」と、アレルギー体質そのものを変える「アレルゲン免疫療法(減感作療法)」です。自分のライフスタイルと症状の重さに合わせて選択することが重要です。
薬物療法:症状をコントロールする
抗ヒスタミン薬(第二世代)
くしゃみ・鼻水・目のかゆみに効果的。眠気が出にくいタイプが主流。
市販薬・処方薬どちらでも入手可能。花粉シーズン前から飲み始める「初期療法」が有効。
市販薬だとアレグラなどが有名。
点鼻ステロイド薬
鼻づまりに最も効果が高い薬の一つ。
局所に作用するため全身への副作用が少なく、長期使用でも安全性が高いとされる。
毎日の継続使用が効果を発揮するポイント。
ロイコトリエン受容体拮抗薬
鼻づまりを引き起こすロイコトリエンをブロック。
特に鼻づまりが強い人に有効で、ステロイド点鼻薬との併用で相乗効果が期待できる。
市販薬の取り扱いは無し。
抗アレルギー点眼薬
目のかゆみ・充血に直接作用。コンタクトレンズ使用者向けの製品も存在する。処方薬では効果の強いステロイド点眼薬も選択肢に。
アレルゲン免疫療法:根本治療を目指す
免疫療法は、花粉エキスを少量ずつ体に投与することで免疫系を「再教育」し、アレルギー反応を起こしにくくする治療法です。
根本的な体質改善を目指せる唯一の方法といわれています。現在は大きく2種類があります。
- 皮下免疫療法(SCIT):花粉エキスを注射で投与する古典的な方法。効果が高い一方、通院頻度が高め(最初の数ヶ月は週1〜2回)。保険適用あり。
- 舌下免疫療法(SLIT):舌の下にエキスを垂らすか錠剤を溶かして服用するタイプ。スギ花粉に対する「シダキュア」が代表的で、2014年より保険適用。自宅で毎日できるため利便性が高い。
免疫療法の効果と期間
舌下免疫療法(シダキュアなど)では、3〜5年の継続投与で約70〜80%の患者が症状の改善を実感するとされています(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会ガイドライン参照)
効果が出始めるまでに数ヶ月〜1年かかることが多く、根気よく続けることが大切です。
花粉シーズンの少なくとも2〜3ヶ月前から開始するのが理想的とされています。
予防・軽減のために日常で意識したいこと9選

通院の手間や診察料、薬代がかからない、それに越したことはないですよね。
日常の行動を少し意識するだけで症状を軽減できるかもしれません。
普段から花粉の取り込み量を減らすことを意識した、以下の9選ご紹介します。
マスク着用+内側にガーゼ
花粉用マスク(JIS規格適合品)を正しく着用することで、花粉の吸入量を約70〜80%カットできるとされています。マスクの内側にガーゼを重ねると、さらに吸着効果が高まります。
花粉飛散情報を毎朝確認
環境省の「花粉情報システム」やウェザーニュースアプリなどで当日の飛散量を確認し、
「非常に多い」日は外出を控えるか防御策を強化しましょう。
外出時間を選ぶ
スギ・ヒノキ花粉は午前中(10〜14時ごろ)と夕方(17〜19時ごろ)に多く飛散する傾向があります。
どうしても外出が必要な日は、この時間帯をできるだけ避けるのが効果的です。
帰宅後すぐに服を払い、うがい・手洗い・洗顔
玄関の外でアウターをはたき、帰宅後は手洗い・うがい・洗顔をセットで行いましょう。
洗顔時は目元も丁寧に洗うと目のかゆみが軽減されます。
洗濯物・布団は室内干しか乾燥機使用
花粉の多い日に外干しすると、衣類1枚あたり数万個の花粉が付着するとも言われます。
乾燥機の使用や室内干しが有効です。
花粉が入りにくい換気のタイミングを選ぶ
換気は雨の日や風が少ない時間帯に短時間で。
窓を開けるときは網戸に花粉用フィルターを貼ると室内への侵入を減らせます。
空気清浄機をフル活用
HEPAフィルター搭載の空気清浄機はスギ花粉(約30μm)を高効率で除去できます。
寝室に置くと特に就寝中の花粉曝露を減らせます。
目をこすらない・鼻をすすらない習慣
目をこすると角膜に傷がつき炎症が悪化します。
かゆいときは冷たいタオルを当てる、目薬を使うなどで対処しましょう。
鼻をすすると花粉が副鼻腔に入り込みやすくなります。
腸内環境を整える
免疫の約7割が腸にある、と言われています。
単純に免疫が正常に反応するようになれば、アレルギー反応が緩和される可能性が高まります。
腸活については、別記事を参照ください。
花粉が多い時は、外出を控え、なるべく花粉が少ない時間帯に外出。
家の中に、花粉を持ち込まない。
目に見えない分、厄介なところはありますが、
衣服や髪など帰宅前に軽くはたくだけでも効果はありますよ!
まとめ
花粉症は、もはや「春だけの悩み」ではなく、日本人の約3人に1人が抱える国民病となっていますね。
スギ・ヒノキをはじめ、ブタクサやイネ科など年間を通じて花粉は飛び続けており、
かつては「大人になってからはかかりにくい」とも言われていた時代はとっくに過ぎ去りました。
ひどい人は、年中花粉症の症状がある、という方もいますよね・・・
しかも、最近は、子どもから高齢者まで、年齢を問わず発症する人が増え続けており、
生活環境や食生活の変化、都市化による影響なども原因として挙げられています。
根本からアレルギー体質を変える免疫療法(舌下・皮下)は確実に進歩しているものの、
3〜5年という長期にわたる継続が必要で、気軽に取り組もうって気にはなれないですよね。
このあたりは、根本治療の選択肢が広がるよう、今後のさらなる研究と普及に期待するしかないですね。
だからこそ、マスクや空気清浄機などの物理的な対策、腸活による免疫力の底上げ、生活習慣の見直し。
どれも地味に見えて、続けることで確実に効果は期待できるはずです。
花粉症と「うまく付き合いながら、少しずつ改善していく」という姿勢で、
今シーズンを乗り越えてみてください。


